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下地床の積載荷重表示にみられる「3 000N/㎡」、「5 000N/㎡」等の記述は、建築物の構造(スラブ・梁・柱)を検討する場合の積載荷重であり等分布荷重での強度を示しています。
また、フリーアクセスフロアは多くの場合、積載荷重を隣接するユニットに伝達しない構造のため、個々のユニットのみで荷重を支持しており集中荷重での強度を示します。
以上より、お互いの強度に関連するものではなく、積載荷重に整合性はありません。
フリーアクセスフロアは一般に2 000N・3 000N・5 000N用などと表示されますが、JAFAが定める所定荷重とは、短期的にフリーアクセスフロアが耐えられる荷重を示し、JAFA静荷重試験では、所定荷重(=短期許容荷重)の評価を行います。
フリーアクセスフロアに積載されるじゅう器や書庫等は、所定荷重を超えないよう設計する必要がありますが、この時に注意しなければいけないことが、下図に示すじゅう器を設置する際の衝撃や地震等による動的要素です。
じゅう器を設置する際の衝撃や振動は、鉛直方向の荷重を増幅させます。また、地震により発生する振動も鉛直方向の荷重を増幅させます。このような場合においても、所定荷重を超えないよう配慮した設計にすることが、フリーアクセスフロアを安全に使用していただく重要なポイントとなります。
実際パネルに積載できる許容積載荷重は、材質や工法により、一概には設定できませんが、JAFAでは概ね1.5程度の低減率を推奨しています。
所定荷重 | 短期許容荷重 | 許容積載荷重 |
---|---|---|
2000N | 2000N | 1300N程度 |
3000N | 3000N | 2000N程度 |
4000N | 4000N | 2600N程度 |
5000N | 5000N | 3300N程度 |
積載物には一般的に、がたつきを防止するためのアジャスター(調整ねじ)が付いていますのでパネルにかかる荷重は常に集中荷重ということになります。
各アジャスターが負担する荷重は、積載物の重心位置により異なります。重心位置とアジャスターの関係例を下図に示します。
上図の場合アジャスター②は、ほとんど荷重はかからず、積載物の重量をアジャスター3本で負担していると考えられます。また、積載物を連続配置する場合は、複数のアジャスターが1つのパネルに載ることも考慮する必要があります。
下図の①~⑤の場合の積載可能なじゅう器1台の重量を下表に示します。
所定荷重 | 許容積載荷重 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ |
---|---|---|---|---|---|---|
2000 | 1300 | 3900 | 1950 | 1950 | 975 | 975 |
3000 | 2000 | 6000 | 3000 | 3000 | 1500 | 1500 |
4000 | 2600 | 7800 | 3900 | 3900 | 1950 | 1950 |
5000 | 3300 | 9900 | 4950 | 4950 | 2475 | 2475 |